大判例

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大阪高等裁判所 昭和24年(を)3460号 判決 1949年12月23日

被告人

三輪明

主文

本件控訴を棄却する

理由

しかし、原判決挙示の証拠殊に証人滝本乙次郞同北川正行の各証言によつて明らかである電車内の座席の関係、北行電車の略中央の東側の坐席に南から滝本、北川、若い者三人その北端が被告人の順序に腰をかけ北川の北側に同人の手提鞄をおいてあつた事実、烏丸通の竹屋町附近で手提鞄の後方が安全カミソリの刄で切られていることを発見した事実、中央の若者のうしろに盜まれた札束が三つリレー式に置いてあるのが発見された事実、被告人が被害者の所有物でない橫のチヤツク附鞄の上に左手を置いて押えその鞄の中に盜また札束が見えた事実、被告人の坐席の北側のシートの間に安全カミソリの刄が発見された事実、被告人を含めて三人の若者の前に立つていた乘客のなかつた事実を綜合すると被告人等若者三人の共謀の事実と本件犯行がその三人の共謀の上のしわざであることが推認されるのであつて、証拠によつて認定した事実に基いてなされた推認は、結局証拠に基いてなされた認定であるから、所論の証拠に基かないで共謀の事実を認定したと言う非難は当らない。

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